どうもみこです。
2019年に天皇陛下の譲位があり、平成から令和への改元が行われました。それに伴いさまざまな祭祀などがとり行われ、ニュースで天皇陛下についての話題に触れることも多くありました。
この一連の出来事には、多くの人の注目が集まったことであると思います。
ところで、あなたは日本において「天皇」がどのような存在であるのか答えることができるでしょうか?
おそらく多くの人が、「知っているようで知らない」状態ではないでしょうか。そのような方にとってこの記事が、天皇を知り、我が国の歴史について考えるきっかけとなれば幸いです。
・天皇とは
・何代目なの
・天皇の祈りとは
・どんな人が天皇になるの
「日本のことを案外知らない日本人【建国を知っていますか?】」の記事も合わせてお読み頂けると、さらに理解が深まります。長い歴史を持つ日本に生まれ生きている日本人に知ってほしいことを、なるべくわかりやすくまとめていきます。
天皇とは
天皇とは「日本国の象徴」であり、「祈る存在」です。
日本国の象徴であり祈る存在
天皇が日本国の象徴であることは、日本国憲法第一条により定められています。
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
天皇は日本国の君主(元首)ですが、現在の日本国憲法にはそれを示す規定はありません。ですが、「慶応義塾大学名誉教授 小林節先生」は「憲法の真髄」にてこのようにおっしゃっています。
先の通り、元首とはヘッド・オブ・ステートです。象徴とはシンボルです。シンボルはヘッド・オブ・ステートのファンクション(機能)です。象徴であることは、国家元首の機能のひとつなんです。元首のお役目として、象徴であるわけです。
「憲法の真髄」より引用
ちょっと難しい表現ですね。
「国家のヘッド=国の顔」です。外国から大使が着任をしたときに挨拶をする存在、これは国を代表しているということになります。
よって、憲法に書かれていなくとも、実質的には「君主(元首)」であると言えるのです。
象徴とは
直接的に知覚できない概念・意味・価値などを、それを連想させる具体的事物や感覚的形象によって間接的に表現すること。また、その表現に用いられたもの。例えば、ハトで平和を、王冠で王位を、白で純潔を表現する類。シンボル。
weblioより引用
富士山を見て日本を感じたのならば、富士山は日本を象徴しています。
天皇陛下のお姿を拝することにより、日本という国や日本国民の統合を感じることができる。これが日本国を象徴するということです。
とはいえ、憲法で定められているからと言って、全ての人が天皇陛下のお姿に日本を感じるわけではないと思います。ですが、このあたりは天皇陛下を知ることにより少しずつ理解ができてくるのではないかと思っています。
祈る存在とは
天皇陛下について知るために、まずは「天皇はなにをしているの?」という疑問があるかと思います。それについては、宮内庁のHP「天皇皇后両陛下のご活動」書かれています。
・憲法に定められた国事行為
・行幸
・外国の訪問
・宮中祭祀
さまざまなご公務を行われていますが、その活動の本質は「祈る」ことです。
では、なにを「祈る」のか? それは「日本国の平和や国民の幸せ」です。時代により、天皇が行うご公務には変化がありますが、変わらないものそれが「祈ること」です。
民のかまど
祈ることの本質にせまるお言葉として、「第一六代仁徳天皇」はこのようなことを語ったそうです。
「天が君主を立てるのは、民のためであり、君にとって民は根本である。だから、民が一人でも飢えるのならば、君は自らを責めなくてはならない」
「旧皇族が語る天皇の日本史」より引用
これは「民のかまど」と言われる、困窮する民を「税を取らない」という策でお救いになったエピソードの中のお言葉です。増税で景気を悪化させてしまった、どこかの政府に知って頂きたいエピソードですね。
まずは知る
このように、歴代の天皇は国民の幸せを祈り続けています。「天皇は国民を思い、国民は天皇を支える。」こうして長い間続いてきた国が「日本国」です。
また、祝日「勤労感謝の日→新嘗祭」や「元日→四方拝」も、「天皇が祈る日=祭日」です。このような事実を知ることで、天皇陛下の祈りを知ることができるのではないでしょうか。
天皇の祈りは 「日本国の平和や国民の幸せ」 です。それらを知ることにより「天皇は日本国を象徴している」ということが少しでもご理解いただくことで、ニュースなどでみる天皇陛下の話題も、少し変わって見えるのではないでしょうか。
どんな人が天皇になるの
現在の天皇陛下は第126代です
現在は「第126代天皇」となっています。そして、初代天皇は「神武天皇」です。神武天皇については、こちらの記事「日本のことを案外知らない日本人【建国を知っていますか?】」にも書いていますのでご覧ください。
神武天皇のご即位が、日本国の建国であるとされています。よって、現在の天皇陛下は「初代神武天皇のご子孫」となるわけです。
男系継承で続いてきた
「皇位継承(天皇の代替わり)」は、神武天皇からずっと男系によって繋がれてきました。現在は「皇室典範(皇室に関する法律)」にて「男系男子の皇族」と決められていますが、歴史的には「男系継承」です。
男系継承とは、お父さんが天皇、そのまたお父さんが天皇、辿っていくと初代神武天皇にまで辿り着く。これが日本の皇統です。
なので、お父さんが天皇である「女性天皇」も「8方10代」存在しています。女性が天皇であっても、父親が天皇であれば「男系」ということになります。
天皇はなるべくしてなる
アメリカ合衆国は、選挙で「国の顔=大統領(国家元首)」を決めています。中華人民共和国は、実質的に中国共産党の中から選ばれています。各国で選び方はさまざまです。
では、日本の場合です。天皇になるのは「人柄がよい人」でも、「優れた人材」でも「投票トップの人材」でもありません。天皇は世襲により、その血を引いた方がなるべくしてなるのです。
実は男性を排除している
「男性しか天皇になれないのは不平等ではないか?」
現在であれば、当然このような疑問がでてきます。しかし、じつは「男系継承」は構造的に男性を排除しています。
女性は皇室に入ることができます。
「皇族と結婚」をすることができるからです。ですが、男性は皇族に入ることができません。女性皇族は結婚をすると、皇族を離れるからです。
このように「男系による皇位継承」は、男性を皇族に迎えることを許していません。
長く続く歴史
現在の天皇陛下は第126代です。
初代神武天皇のご即位以来、日本国は二千年以上の歴史があります。天皇と国民があり、その長い歴史が現在も続いています。
最後に
「天皇」がどのような存在であるのか?
この記事を読むことで、なんとなくであってもご理解を頂くことができたのであれば幸いです。
普段ニュースで天皇陛下の話題を耳にすることは多々ありますが、日本人は「天皇とは」について案外知っていません。
理由は「教わらないから」であると思います。日本にとって大切な存在であるにも関わらず、義務教育を経てもなんなのかいまいちわかりません。知らないことを知ると、今まで見ていたことが変わることもあります。知らないことは知っていきましょう。
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