どうもみこです。
仕事で失敗した人
仕事で失敗して、不良品を作ってしまった。
対策書を書けと言われたけれど、うまく書けない。
なんとか書いたら、「こんなんじゃだめだ」と言われた。
どうしよう・・・
不具合対策書の書き方を教えますよ。
不具合対策書の書き方には、理解しておくといいコツがあります。
それさえ抑えれば、上司も納得するはずです。
この記事では、「対策書の書き方」について書いていきます。
対策書にも種類があり、「客先へ提出する対策書」と「社内で運用する対策書」があります。この記事では「社内で運用する対策書」の書き方について解説します。
製造業で働いていると、ミスをして不良品を作ってしまうことが必ずあります。そんなときに、書くことになるのが「不具合対策書」や「品質問題対策書」といわれる書式です。
- そもそもなんのために対策書を書くのかがわかる。
- なぜ私が書いた対策書は、上司に内容のダメ出しをされるのかがわかる。
- 上司を納得させる、対策書の書き方。
- 不具合対策書を書くときのポイント。
このようなことを理解できます。
私は品質管理担当者として、「年間200枚以上の対策書」に目を通し、社内指導や客先への回答をおこなっています。
この記事の内容を理解すれば、上司にダメ出しされない、上司を納得させる対策書が書けるようになります。
より詳しくなりたい方は、原因分析のおすすめ書籍も紹介しますので、合わせて読むことをおすすめします。
- 製造業務をおこなっている人。
- 対策書の書き方がわからない人。
- 品質管理の対策書の書き方を勉強をしている人。
そんな人におすすめです。
対策書の書き方を知る
上司を納得させる対策書を書くにはまず、「なぜ対策書を書くのか?」をしっかりと理解しましょう。
対策書とは
対策書とは、「起こってしまった問題を、2度と発生させないために書く書類」です。
対策書には、「不具合対策」「品質問題対策書」」「不具合報告書」等、たくさんの呼び方があります。呼び方はさまざまですが、本質は「問題の再発防止(類似の不具合も含む)」にあります。
なぜ対策書を書かなければいけない
会社にとって、不良品を作ることは損失です。
製造業は製造を行うために、材料費、人件費、電気代等、さまざまなコストをかけて製品を製造しています。
不良品を作ると、それらがすべて無駄になってしまいます。さらに、不良品が顧客に渡ってしまうと、「信頼を失ったり」「対応に多くの費用を費やす」ということが起こります。
人が関わる以上、かならずミスは起こります。ですが、かならず起こるからと言ってほうっておくわけにはいきません。
起こってしまった問題(ミス)を、2度と再発させないために対策書があります。
対策書の内容
対策書の書式については、会社によりさまざまなものがありますが、基本的な内容は共通しています。
1.不具合現象:発生日、発生場所、発生工程、図番・品名等
2.不具合内容:具体的な不具合の内容
3.発生原因:不良が発生した原因を掴む
4.再発防止対策:原因に対して対策をとる
5.有効性の評価:考えた対策が有効性(再発していないか?)を確認する
6.その他:水平展開や波及範囲の特定等
「1・2」については、起こった問題にたいする事実を書くだけです。
「5」については、対策のあとの話なので、ここでは深堀りしません。
対策書を書くうえで問題となるのが、「3・4の原因と対策をどう書くのか!?」です。
目的をしっかりと理解しておく
対策書の目的は、「起こってしまった問題を、2度と発生させない」ことです。
対策書を書いていくうえで、この対策書の目的をしっかりと理解しておきましょう。
目的を理解していないと、対策書を書くために内容を書いてしまうことがあります。とりあえず書けばいい、という姿勢ですと上司にダメ出しされてしまいますよ。
なぜ対策書をダメ出しされるのか?
せっかく書いた対策書にダメ出しされるのは、「対策書の目的を達成できていないから」です。
対策書を読んだ上司が、「これじゃまた同じ失敗をするな」と思えば、いたらない点を指摘(ダメ出し)されるでしょう。
逆に、「よく分析できてしっかり対策されている」と思えば、対策書はクローズされるはずです。
それでは、「上司を納得させる対策書の具体的な書き方」に入っていきましょう。
大切なのは原因とそれを解決する対策
さきほど、原因と再発防止策をどう書くのかが問題になると書きました。
対策書の目的は再発防止ですので、「なぜ問題が起こったのか(原因)」「問題を解決する方法(再発防止策)」が最重要ポイントとなります。
この書き方には、4つのポイントがあります。
発生原因の4つのポイント
発生原因を特定して、その問題を解決するためにこうじる策を、再発防止策といいます。
発生原因と、再発防止策には繋がりがあります。よって、再発防止策を左右する「発生原因を特定すること」がとても重要です。
発生原因を特定する4つのポイントが、以下になります。
①現象ではなく、原因を特定する。
②なぜなぜを繰り返す
③問題の作業は、ルール通りであったのか?
④頭の中だけで考えず、現実をみること。
順番に解説していきます。
①現象ではなく、原因を特定する。
例題①
不具合内容:違う材料を使って加工してしまった。
発生原因:間違えて、違う材料を選んでしまった。
発生原因として書いた「間違えて、違う材料を使ってしまった」は、不具合が発生した現象です。この場合、発生原因は別にあります。
不具合内容:違う材料を使って加工してしまった。
発生原因:材料を選定するときに、違う材料を選んでしまった。
材料の表示を確認せずに、選んでしまった。
いつもの場所から取ったので、大丈夫だと思い確認をしなかった。
この場合は、「材料の表示を確認しなかった」という部分を特定しました。
発生原因は、「なぜ違う材料を使ってしまったのか?」を特定することです。
例題②
不具合内容:通常発生しない、大きなバリが発生している。
発生原因:バリを除去するのを忘れてしまった。
確かにバリを除去し忘れたから、結果としてバリが発生しているのかもしれません。
ですが、「バリを除去するのを忘れてしまった」は、不具合流出させた流出原因です。
例題②
不具合内容:通常発生しない、大きなバリが発生している。
発生原因:加工機の刃物の状態が悪く、加工時にバリが発生した。
毎日行うはずの刃物の研磨を行っていなかった。
発生原因は流出原因ではありません。「なぜ通常は発生しない、大きなバリが発生したのか?」を特定しましょう。
以上、2つの悪い例の発生原因をあげました。
発生原因は表面的なものではなく、なぜ不具合が発生したのか? を分析しましょう。
②なぜなぜを繰り返す。
①で書いた現象を、ほんとうの発生原因まで深堀ときには、「なぜなぜ分析」が役立ちます。
例題①
現象:間違えて、違う材料を使ってしまった。
なぜ①:間違えた材料を選定した。
なぜ②:材料を選定するときに、材質の表記をみていなかった。
なぜ③:いつも置いてある場所から記憶で選んでしまった。
なぜ④:なれた作業なので、表記も、選んだ材料も確認しなかった。
このように、「材料を間違えた→必要な確認をしていなかった」というと部分まで掘り下げます。
ポイントは、最初のなぜ①は「現象」で構いません。
次になぜ②で、なぜその現象が起こったのか深堀りする。
なぜ③では、さらに深堀りする。
これを繰り返しましょう。
原因が特定できたら、つぎにすすんでいきます。
ここで一つ問題としてとらえるポイントがあります。
それは、発生原因で特定した「必要な確認」は、ルールになっているのか?
という部分です。
③問題の作業は、ルール通りであったのか?
「材料を間違えた→必要な確認をしていなかった」
この場合の「確認」という行為は、ルール化(手順化)されていたのでしょうか?
ここは再発防止策につながる大切な部分です。
基本的には、下記のように考えると良いでしょう。
①ルールがなかった → ルールを作成する。
②ルールを守っていなかった → ルールを守らなかったのはなぜ?
ルールを守らなかったのは → ルールを知らなかったから
知っていたけど守らなかったから
もしも、ルールがない場合は、材料の表記を確認していなくても仕方がありません。
しかし、材料を確認するルールがあっのにもかかわらず、材料を確認していなかったのならば「それはルールを守っていなかった」ということになります。
・材料を選定するときのルールがない → 確認しなくても仕方ない
・材料を選定するときのルールがある → ルールを守っていなかった。
発生原因において、この2つには大きな違いがあります。
ルールがなかったのならば、ルールを作れば良い。
しかし、ルールを守っていなかったのならば、なぜ守っていなかったのかを考える必要があります。
④頭の中だけで考えない。
人の「記憶」には、曖昧な部分が多いです。
人の「証言」にも、曖昧な部分が多いです。
意図的に自分を正当化している場合もあれば、本当に記憶が曖昧な場合もある。不良品を作った人を責めても解決はしません。
記憶に頼るだけではなく、実際に作業を見る(3現主義)ことが大切です。
頭で考えたことと、実際に確認した事実が違う。もしくは確認して初めて、新しい事実に気がつく、ということは多くあります。
「3現主義」にもとづいて、現場を確認することが大切です。
3現主義については、こちらの記事をご覧ください。
なぜなぜ分析のおすすめ書籍
私が、なぜなぜ分析を勉強するうえで、参考にした書籍は「なぜなぜ分析 実践編」です。
なぜなぜ分析がわかりやすく説明されていておすすめできる書籍です。
発生原因を解決するのが再発防止策
再発防止策は、特定した原因を解決できるものでなければなりません。
再発防止策の4つのポイント
発生原因で特定した問題を解決するのが、再発防止策です。
よって、特定した発生原因に基づいて、発生原因を解決する再発防止策を検討します。
再発防止策を行う、4つのポイントが以下になります。
①原因を解決する対策を立案する
②ルール(手順)を軸として考える
③ルール化(手順化・仕組み化)する
④決めたことはしっかりと共有(教育)する
順番に解説していきます。
①原因を解決する対策を立案する
原因を解決できる、再発防止策である必要があります。
ルールがなかった → ルール通りに作業をすれば、不良再発しないルールを考える。
ルールを守っていなかった → ルールを再認識して、ルール通りの作業をする。
もしくは、ルールの教育や再教育を行う。
②ルール(手順)を軸として考える
対策を検討するときには、ルール(手順)を軸として考えましょう。
さきほども書いたとおり
ルールがなかった → ルール通りに作業をすれば、不良再発しないルールを考える。
ルールを守っていなかった → ルールを再認識して、ルール通りの作業をする。
もしくは、ルールの教育や再教育を行う。
ルールを軸にして、対策を検討します。
☓:ルールを守っていなかった → 守りやすいルールに変える。
○:ルールを守っていなかった → まずは決められたルールを守る、そのうえで不都合は改善する。
あきらかに非常識なルールであったならば、例外もあります。ですが、守るべきルールを守っていなかったのに、ルールを変えてしまっては軸がはっきりとしません。
守るべきルールであるのならば、まずはしっかりとルールを守ること。
そのうえで不都合があるのならばルールを変更するべきです。
まずは守るから始めなければ、新しく作ったルールも守らないルールとなるはずです。
③ルール化(手順化・仕組み化)する
ルールがなかったのであれば、新しいルールを作ります。
そのとき、自分だけでルールであってはいけません。
会社ではさまざまな人が関わって、仕事が成り立っています。自分以外の誰かが作業を行うときでも、同じ結果を得られなくてはいけません。
よって、再発防止策はしっかりルール化(手順化・仕組み化)を行いましょう。
今までにないルールであれば、「作業手順書・マニュアル等」の標準を改定する必要があります。
④決めたことはしっかりと共有(教育)する
作業手順書等を改定したのであれば、それを自分だけが知っていてはいけません。
他の作業者や関係者にも、しっかりと共有(教育)を行いましょう。
まとめ
対策書の目的は、「起こってしまった問題を、2度と発生させない」です。
この目的を理解したうえで、目的を達成できる内容でなければ、上司を納得させることはできません。
原因は、なぜなぜ分析で深堀りしましょう。
なぜなぜ分析
現象:間違えて、違う材料を使ってしまった。
なぜ①:間違えた材料を選定した。
なぜ②:材料を選定するときに、材質をみていなかった。
なぜ③:いつも置いてある場所から記憶で選んでしまった。
なぜ④:なれた作業なので、表記も、選んだ材料も確認しなかった。
特定した原因に対して
①ルールがなかった → ルールを作成する。
②ルールを守っていなかった → ルールを守らなかったのはなぜ?
ルールを守らなかった → ルールを知らなかった。
知っていたけど守らなかった。
ルールを軸に、考えることが大切です。
そして、決めたルールはしっかりと共有(教育)を行いましょう。
①原因を特定
②原因を解決する再発防止策を決める
この2つを確実に行うことができれば上司も納得するはずです。
この記事のポイントを理解して、対策書を書き、上司を驚かせてみませんか。
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